今回の例は動物ではなく人間の発症ですが、発症すると致死率100%という怖い病気です。また、コウモリからの感染例もありますが、大半は犬に噛まれてその唾液中のウイルスが体内に入り、神経に潜伏しながら脳へと到達して、その名の通り狂ったような神経症状が発現します。
このような非常に怖い病気のため、年に1回の狂犬病ワクチン接種が義務付けられております。
ただし、本年は昨今の新型コロナウイルスの関係で狂犬病集合注射が延期もしくは中止になってしまった地域もございます。
更に、これまで年齢や持病により猶予証明書として接種しない事例もありましたが、世界的に身動きできないような動物や相当重度な疾患を抱える動物でない限り極力接種するように勧める流れもあり、加えて法律で定められた接種を猶予という形で接種しないのはどうかと考える地方獣医師会も出てきております。
特に近年我が国では狂犬病予防接種率が年々低下傾向であります。
よって、飼い主様の皆様におかれましても、これら状況を重く受け止めて頂き、必ず接種して頂けますようお願い申し上げます。
狂犬病だけでなく、特に山梨ではダニが媒介する重症熱性血小板減少症候群ウイルス(SFTS)などノミダニによる感染症リスクも懸念しなければならないため、フィラリア予防シーズンの今だからこそフィラリアと一緒にノミダニ予防ができるオールインワンタイプのお薬の投薬も検討して頂ければと思います。