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動物と人間の歯科診療、どっちが大変?
~どちらも診療する立場から~

コラムのご紹介

今回のコラムは人間の歯科と動物の歯科の両方の経験がある江口先生ならではのコラムです。
飼い主さんの歯科にも挑戦できると思いますので、ぜひご覧ください。
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笠松和洋 副院長

「診断の8割は飼い主さんとの会話」をモットーに​、二次診療施設と連携し、あらゆる角度から飼い主さんやペットにとって最良の治療を目指す街の獣医さん。
新たに日本獣医輸血研究会、日本獣医内視鏡学会所属、AO VET Basic course修了など、日々進歩する医療に携わる活動を実践しています。

筆者

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江口淳先生

歯科医と獣医のダブルライセンスを保有し、高度歯科医療を施せるスーパードクター。
最近では『2024年度 関東・東京合同地区小動物学会(群馬)』でも登壇され、益々の活躍が期待され、多方面でも注目されています。

動物と人の歯科診療、どっちが大変?

~どちらも診療する立場から~

御世話になります、歯科・口腔外科の江口です。

たまに飼い主さんから、『先生は、人の歯医者さんと動物の歯医者さん、両方のお仕事をされていて、どっちが大変なんですか?』とご質問をいただくことがあります。

歯科医師と獣医師、両方の仕事をはじめて、かれこれ8年にもなりますので、『こういう場合の歯科診療は人間のほうが大変だなぁ、でもああいう場合になると動物の歯科診療のほうが大変だなぁ』と感じることは常日頃からあります。

ということで、今回の歯科コラムは、『人と動物の歯科診療、どちらが大変なのか?』ということをテーマにしてみました。ちなみに、このお話の前提として、『大変だから、どちらがすごいだの、偉いだの』という、優劣をつけたいわけではありません。正直、どちらも大変です。その職業の大変さは、その職業を経験した人にしか絶対に分からないもの、それが私の持論でして、例えば、経験もしてない人が、その職業のこと、仕事内容に対して、どうたら、全て分かったように語るのは、きわめてナンセンスだと考えています。たとえば、歯科医が動物の歯科のこと、獣医が人間の歯科のことを、さもすべて理解しているかのように、語るのは、お門違いで、変な感じがします。

ですので、歯科医と獣医の職を両方得て、どちらの歯科診療も経験している、私自身がこれまでの経験として、それぞれに大変と感じたことをお話するならば、そこはクリアかなと思いました(笑)。これからお話するのは、大変と感じた、『あくまで私個人の感想』ではありますが、そこに少しでも共感、ご理解をして下さる部分があればすごく嬉しいです。ご興味のある方はどうぞご覧になってくださいね。

さて、本題の前に、もう少し前置きしておきたいことがあります。

このテーマで私がいうところの『大変』とは、具体的にいうと、『~が難しい』という表現に近いと思ってください。どういうことかというと、人の歯科診療と動物の歯科診療は、治療するとき、診察するときなど、『実はすべてを全く同じようにできるわけではなく、それぞれに様々な制限があります』。例えば、人では直接問診ができるけど、動物には直接できないというようなことも制限の1つです。人と動物のうち、そうした制限がある側で、歯科診療は難しくなると感じていますので、それが私は大変だと思うわけですね。ちなみに、私が診療する動物は、ほとんどが犬猫ですので、今回は犬猫に限定したものだと思ってくださいね。それらをふまえて、今回のテーマをもう一度、より具体的に言い換えてみます。

人と犬猫の歯科診療、比べたらどちらが、制限があるゆえに難しく大変と感じるか?』です。

すみません、前置きが長くなりましたが、ここからが本題です。

人側、犬猫側での歯科診療における、制限について、その時々でまず、大きく分けてみますと、『診察時の制限』、『★②治療時の制限』、『★③治療後の制限』、この3つがあると考えます。

まずは、『★診察時の制限』についてです。これは、とくに診察に必要な情報量の制限だと思ってください。

一般に人の患者さんは、言葉を話せるため、問診すると、症状を直接伝えてくれます。例えば、違和感や痛みがどこの歯なのか?お口のどの辺が気になるのか?『先生、ここです』といった具合です。また、診察時は、実際に異常の有無を確認するために、お口の中をしっかり見る必要がありますが、人の場合は、『今からお口をみるので、お口を開けて見せて下さいね』とお願いすれば、じっと動かずお口を開いたままでいてくれます。このように、人の診察時では言葉で症状を伝えてくれる、お口の中をしっかり見せてくれる、といった情報量がそれなりにあるため、必要な検査がしやすく、結果、そこから的をしぼれることで、診断にいきつきやすくなるという点があります。

一方で、言葉を話せない動物の場合、診察時では、症状を直接的に伝えてはくれませんので、いつも一緒にいる飼い主さん側から、まずは、いろんな情報をこちらが引き出さないといけません。例えば、『フードの食べ具合は最近どうですか?ドライフード最近、嫌がりますか?左より右側の歯を触ると嫌がりますか?』といった具合です。また、『お口を開けてよく見せてね』といっても、そう易々と人のように見せてくれわけではありません。そうなると、診察時に必要な情報量は人のそれよりも少なく制限されます。また、ピンポイントで、歯の病気を診断するにあたり、お口の中にフィルムを入れて撮影する歯のレントゲン検査(歯科レントゲン検査)というものがありますが、人では、ふつうに撮影できる一方、犬猫は一般にお口を開けたままじっとキープできないなどの事情もあり、わざわざ鎮静あるいは麻酔をかけて撮影しなければなりません。つまり人と同じだけの歯科検査をして診断に必要な情報量を十分に得ようするには、ハードルが人より少し高くなるわけですね。こういった点からみれば、歯科診察する上では、人間より制限のある犬猫のほうが、私は大変だと感じています。

次に『★②治療時の制限』についてです。これは、歯科処置をするときの制限だと思ってください。

まず、犬猫しかり、動物の場合には一般に、検査と同じく歯科処置中にずっとお口を開いたままじっとしていてくれることは、基本的にありませんので、ほとんどの場合、歯科処置をするには全身麻酔を行います。一方で人の場合、一般的な歯科処置は、当然のことながら、患者さんが起きたまま行います。虫歯治療で歯医者に行ったら、いきなり全身麻酔でやります、というシュチエーションはふつう考えられないですよね(笑)。ただ、例外的にひどい歯科恐怖症や、ある種の障害をお持ちの方、深すぎる親知らずの抜歯などは、大学病院などで、全身麻酔をして行うことも一応あります。お口で細かい作業をしていく、ドクター側の都合からすれば、相手がお口を開いたまま、閉じずに、動かないでいてさえくれれば、集中して作業が正直やりやすいのですが、人の場合には、原則起きたままですから、治療中に舌は動いてしまうあごが疲れてすぐ閉じてしまうなど、多少なりとも動いてしまう状況のなかで歯科処置をしなければならないという制限があります。犬猫の場合は全身麻酔ですので、麻酔中は体も舌も動かずに、口もこちらが開けたままでキープできますから、処置中は動かずにいてくれるので、正直言うと、人の歯科処置をするよりもやりやすいですね。こうした作業する側の面で考えれば、治療時の制限がある人間の方が、動物より難しく大変だと感じます。

しかし別の面、『全身麻酔をしなければ犬猫は、人に行う同質の、しっかりとした歯科処置ができない』という側面から考えれば、犬猫の歯科処置は、絶えず麻酔リスクという制限との葛藤なので、歯科処置をするか迷っている飼い主さんの心中を思えば、とても安易に勧められるものでもありません。また、全身麻酔というリスク下の処置である点をふまえれば、人間が何回も通院して行う歯科治療過程を、そのまま犬猫に何度も行うということは、複数回の麻酔が必要になるということですから、麻酔リスクに都度さらされてしまい、まず現実的ではなく、私は全く勧めていませんので、基本的にほとんどの犬猫の歯科処置は、当科では、1度で全てを完結させることを目指します。そうした事情の面からみれば、人間より犬猫のほうが、大変だと感じます。

最後に、『★③治療後の制限』についてです。これは主に歯科処置が終わったあと、自己管理の制限だと思ってください。

歯科治療が終わった後は、それが有事なく、できれば再治療なく、ずっとお口の中で安定していてくれることが、私の願いです。そのためには、処置後の留意点をこちらが患者さん側に、きちんとお伝えして、患者さん側に患部を気にかけていただく、つまり『自己管理をしていただくことが重要』です。例えば、とても硬いものを噛んだ拍子に、歯がひどく欠けてしまったとしましょう。欠けてしまった部分を元の歯のように歯科用の樹脂(歯科用レジン)を使って修復する治療がありますが、これは私たち人でも、犬猫でも行う歯科治療になります。ただ、修復とはいえ、これは硬くなる樹脂を使った一種の補修処置ですから、欠ける前の健全なもとの歯の一塊に比べると強度的にはやはり弱くなりますし、樹脂ゆえに、当然経年劣化もありえます。なので、このような処置をしたあと、人の患者さんには、『極端に硬いものは、治療した歯で噛むことは避けてくださいね』と本人にお話しますと、やはり気をつけてくれます。一方、犬猫の場合には、飼い主さんに『極端に硬いものを与えてしまうと、噛んでるうちに治療した歯がまた欠けるので、与えないでくださいね』とお話しますと、飼い主さんは気をつけてくれますが、ワンちゃんだと散歩中に、硬い何かをくわえてしまうこともありますしお家のものをかじって遊ぶ習癖の子もいますので、処置部位に対して、動物たちは、とにかく容赦がありません(泣)。このような点でいえば、人間よりも犬猫の方が、処置部位の管理に制限があり、大変で難しいと私は感じます。

ほか、それぞれの制限は、多分思いつく限り挙げればきりがありませんので、今回は上記としました。

人と犬猫の歯科診療、比べたらどちらが、制限があるゆえに難しく大変と感じるか?』。

以上から、私なりの、結論としましては、一概にはいえず、ケースバイケースです。つまり、どちらも状況により制限があるし、難しく大変という答えになりました。

大変がゆえに、どちらも、やりがいがあるお仕事ですので、たぶん、引退するまで、私は二刀流を続けていくと思います。

いかがでしたでしょうか?もう完全に私の感想でしたが、『こんな事情があるのね~』『わりと面白い』などの関心をいただけたとしたら、幸いです。

今回も、長文になってしまい、すみません、御覧いただきありがとうございました。

今後も引き続き何卒よろしくお願い申し上げます。

筆者

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江口淳先生

歯科医と獣医のダブルライセンスを保有し、高度歯科医療を施せるスーパードクター。
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