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動物園の動物も歯周病!?

コラムのご紹介

今回の江口先生のコラムは動物園の動物の歯周病についてです。ワンちゃんネコちゃん以外の動物、特に動物園の動物達という身近な存在での歯周病について触れることで、動物園に行った時の新たな見方ができるだけではなく、そこからご自身のペット達についても考える機会になると思います
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笠松和洋 副院長

「診断の8割は飼い主さんとの会話」をモットーに​、二次診療施設と連携し、あらゆる角度から飼い主さんやペットにとって最良の治療を目指す街の獣医さん。
新たに日本獣医輸血研究会、日本獣医内視鏡学会所属、AO VET Basic course修了など、日々進歩する医療に携わる活動を実践しています。

筆者

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江口淳先生

歯科医と獣医のダブルライセンスを保有し、高度歯科医療を施せるスーパードクター。
最近では『2024年度 関東・東京合同地区小動物学会(群馬)』でも登壇され、益々の活躍が期待され、多方面でも注目されています。

動物園の動物も歯周病!?

御世話になります、歯科・口腔外科の江口です。

当院HPの歯科コラムで、これまで犬猫といったペットの歯周病についていろいろお伝えしてきましたが、たまには動物園の動物にスポットを当ててみようかと思いまして、今回のお題にしてしました。内容は一部、夏休みの自由研究にも使えるかもしれませんので、小・中学生のお子さんがいる方がもし御覧になっているようでしたら、ご興味あれば参考程度に少し読んでみてくださいね。

さて、本題の前に余談をさせてください。余談は本編と関係ないので読み飛ばしていただいて結構ですよ(笑)。

先日、四国にある獣医大学、岡山理科大学獣医学部の獣医学生さんに、『犬猫の口腔ケア』について講演するために、愛媛県まで行ってきました。母校OBの大先輩から、講演のオファーをいただいたのがきっかけです。これまで学生さんになにかをお話する機会はなかったのですが、これまでの歯科診療を通じていろいろと思うところがあり、それを獣医学生さんにお伝えできればという思いから、このオファーを快諾させていただきました。

これまで歯科コラムで何度かお話したように、『日本の獣医大学では、学生時代に歯科を学ぶ機会はほとんどありません。』さらには、『歯科診療科というものが大学動物病院にほとんどない』という実情があります。『歯周病は犬猫ではごくありふれた病気』にも関わらずです。歯科を学ぶ機会、歯科に触れる機会が少なければ、お口の病気の全体像、関連する病気、そして治療の本質を理解するのは正直難しいと考えます。ただ、歯科はかなりマニアックな診療科ですので、専門医でない限り、細かなことを知る必要はありませんが、少なくとも、ありふれた病気である歯周病くらいは、学生のうちから、十分理解しておくことは、きわめて大事だと私は思います。歯科が獣医大学の教育において、これだけ軽んじられていることは、獣医学教育における大きな問題だと私はずっと憂慮しています。実際、歯周病の知識不足から、歯周病を見ためだけで判断したり、甘くみてしまう先生がいるのが実情です。結局、そのしわ寄せが、歯周病で苦しむペットと、その飼い主さんに降りかかっており、なおかつ、私の歯科医師目線からみて、これはあきらかに変だぞという、意味不明な犬猫の口腔ケアグッズが、巷にあふれ、それを飼い主さんが何も考えず使ってしまうという、大変カオスな状況を生み出しているわけですから、本当になんとかせんとやばいです(汗)。

ということも含め、学生さんには、実際の現場では、歯周病で苦しむ犬猫がいかに多いか、いかに歯周病が見過ごされているか、歯周病が全身の病気にどれだけ影響するか、どういうケア方法が良いかなど、私なりの見解を交えてお話させていただきました。コラム口調のような、江口節でややフランクに皆さんにお話しましたが、話を聞いてもらえて良かったです(笑)。短い時間でしたが、とにかく1人でも多くの学生さんが、口腔ケアのお話を通して、歯周病について理解し、意識してもらえたら嬉しい限りです。

余談が大変長くなりました。すみません。ここからが本編です。

そんなわけで、せっかく愛媛に来たのだから観光しようと思い、いろいろ足を運びました。その1つが、『とべ動物園』です。このコラムを御覧の方のなかには、とべ動物園に行ったことがある方もいるかもしれません。私ははじめて行きましたよ。日本で初めて人工哺育されたシロクマ、ピースちゃんがいる動物園で有名です。県立でありながら、園内はかなり広く、多様な動物たちがいて、展示にかなり工夫がされている動物園でした。見どころがたくさんありましたので、ぜひ動物園が好きで、まだ行かれたことがない方は愛媛観光の際に行ってみるといいかもしれません。子供連れで楽しめます。

さて、冒頭の写真は、とべ動物園にある、骨の展示スペースにあった、あるライオンの頭の骨を撮影したものです。こちらで飼育されていたようで、21歳まで長生きした子のようでした。動物園では、このように飼育されていた動物たちの骨が展示されていることがあります。もちろん、ただ飾ってあるわけではありません。博物館にある骨の標本のように、学術的な意味あいがあります。たとえば、骨をみると、その動物が、どんな食べ物を食べていたか(肉食性・草食性・雑食性)、普段どういう生活をしていたか、どういう動作をしていたか、などといった情報を得ることができます。展示している場所は、だいたい飼育員さんが、詳しく説明書きを書いてくれてたりするので、それをみながら、骨をみると色々なことに気づくことができ、知識も広がります。

私は人をみるときも犬猫をみるときも、歯というか口の中が専門なので、そういう骨をみる場合、だいたいは、体の骨の部位でも、あたまの骨(あごの骨)をよく観察しています。人も動物も高齢になると、だいたい歯が摩耗ですり減ったり、どこかぶつけて欠けたり、折れたり、抜けてしまっていたりするものです。この写真のライオンも、よくみるとそうなっているのが分かります。よくよく歯をみていると、なんと歯周病だったことが分かりました。ちなみに私がなぜ歯周病だと分かったのか?いや、説明書きみたからじゃないんです(笑)。歯と骨のちょっとしたポイントをみたからです。

コラムでよく話してますが、歯周病というのは、歯についた『歯垢(しこう)中にいるばい菌が、炎症を起こし、やがて歯のまわりの骨が溶けしまう病気』です。歯についた歯垢は、時間が経つと唾液のミネラルで『歯石(しせき)という硬い結石』になります。この写真ですと、歯についた灰色のセメントみたいな塊がそれです。歯石は、このように骨になってもついたままです。どれだけ、しつこくこびりついてるんだという感じですよね?そう、分厚い歯石はそう簡単にはとれないんですよ。これはライオンも人も犬猫も一緒です。また、よく何本かの歯をみてみると、本来隠れているはずの歯の根っこがお目見えしている部分があります。俗にいう歯が伸びてみえる状態というやつです。これは、『歯周病で骨が溶けてしまったことを示します』。これも人や犬猫の歯周病と一緒です。そして、お目見えした根っこをよく見てみると、コケのような黒っぽい汚れが表面についています。これなにかというと、歯石なんです。『あれ?歯石って、黒っぽいっけ?白や灰色だったり黄色っぽいもんでしょ?』と不思議に思いましたか?これ、歯ぐきのなか、つまり『歯周ポケットに隠れて見えない部分につく歯石』の特徴なんです。なぜ黒っぽいかって、それは歯周ポケットのなかは炎症なりが起きていて、出血などしますので、血液中の鉄分が歯石の色に反映されるので、黒っぽくなるというわけです。ライオンも人も犬猫も一緒です。この歯石も骨になっている状態でこれだけ残っているということは、やはりそれだけ取れにくいということですね。さて以上から、このライオンは生前歯周病だったことが分かるわけです。

別に歯周病は人、犬、猫に限った病気じゃありません。このようにライオンもトラもサルもクマもオオカミもカンガルーもカバも、『動物園にいるような動物もなる病気』です。そういう意味で、これほどまでに歯の病気のなかで、ありふれた病気は他にないかもしれません。ということは、動物園の動物たちも、もしできることならば、口腔ケアが必要ということですね。

すみません、話はそれましたが、このように動物園に行った際には、もし機会があれば展示されている頭の骨をぜひよく観察してみてくださいね。博物館にある骨でもいいかもしれません。もしかしたら、今回のように歯周病になっているかもしれません。ポイントは、『歯のまわりの骨が溶けてるか、歯が伸びてみえるか、歯石がついてるか』このへんを確認してみてください。サルなどの場合、虫歯だったら人の虫歯のように、歯に穴があいていたり、白い歯が黒ずんでみえたりします。その辺も観察されると、動物園にいる動物の歯の病気が分かるかもしれませんよ。

今回の内容が、ちょっとした夏休みの自由研究にお役立ていただけたら幸いです。ぜひ動物園に足を運んでみてくださいね。

今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。

筆者

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江口淳先生

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